別府ではない地獄
野沢温泉の十王堂の
閻魔大王を中心に
十王が並んでいました。
地蔵十王経の末法思想であり
仏教は道教と習合し絡み合って
います。しかし地獄の概念は
仏教だけでなくキリスト教にも
イスラム教にもあるのです。
十王の死者の審理は
七回とされます。良く
知られる初七日から
七七日(49日)の仏事サイクル
がこれにあたります。
通常は五七日(35日)の閻魔大王
による最終審議で終わり
ここで「引導」が渡される訳だ。
49日までに決まらない場合は百か日、一周忌、
三回忌と続きます。ともあれ、葬式からの法事の
七日毎の法要は亡くなった人への減罪を
十王に嘆願する残された者の弁護のような場なのだな。
偶然であったが長野へ
出発する前に中川信夫
監督の「地獄」を見た。
テレビではプレイガールや
コメットさんで知られる監督だ。
昔、学生の頃に、ちらっと
幼なじみのチャメ君のレーザーディスクを
観たんですが、全編鑑賞してなかったんで
この度、DVDを入手しちゃいました。
まあ、エログロな分野に入る映画では
あるのですが、出演するキャラクターの
全員が死んでしまうというとんでもない
展開は、生き地獄から死後の地獄と
移り二部構成となっています。
その地獄の風景はまさに「墓場鬼太郎」にも
シンクロする感じの世界なんですよね。
ファンタズムの行進のシーンにも見えたりして。
新東宝倒産前の作品で低予算で
しかも当時の特撮ではあるが、その表現は
なかなかのものだと思う。そして悪人の
同級生タムラのキャラクターもグッドです。
人間のドロドロな業が現実にも感じられる
時代になってきました。行き詰まった閉塞感。
戦争の様な極まった地獄ではなく、どちらか
というとソドムとゴモラのような世界なのかもしれない。
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