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2011年12月24日 (土)

メリクリ!! 推薦図書

2009年7月のアミューズツアー登山の遭難の
事実と検証の本を読んだ。
当時、またガイドツアーの事故が
大きいのやってしまったなあって思ったが
登山者、ガイド、旅行代理店などの各面を
考えさせられる内容であった。

「トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか
低体温症と事故教訓」
http://www.yamakei.co.jp/products/detail.php?id=140140

Tomuraushi 18人のうち8人が亡くなった訳だが生存者8人から
それぞれの状況インタビューから導かれるもの。
参加者だけでなく生き残ったガイドの証言も
踏まえており、視点を絞っていない事で
見落としを無くしているのがすごい本です。
そして、気象遭難、低体温症、運動生理学の
各専門家の分析がかなりしっかりされている。
冗談抜きでこういうのは原発事故でも
検証されるべき第三者的な視点が必要だと
思ったほど、中立の立場で冷静に見てるね。
そしてもちろんツアー登山という形態にも言及している。

確かに私なら小屋に停滞した状況なのだろう。
ツアーの危うい状況は一人アウトになったら
どんどんバラバラになって崩壊していくもんだなあ
って感じた。余裕あればフォローもできるだろうが、
全員次第に不調になっていく状態ではもうどう
しようもなくなる。まあ、濡れた状態での低温と
台風並の風で、さらにカロリーを確保できていない
状態で泥沼にはまっていく姿がよく分かった。
低体温症(ハイポーサーミア)は登山よりカヤックでは
かなり一般的だが夏山でも北アの3000mや北海道の
2000mでも普通におこりうる気象条件があるのを
データで説明してくれている。
実際に低体温症になった時にどうなるのか
も詳細に検証されている。

以前、私が二回目の乗鞍雪山厳冬期
アタックした時、高山病と思った症状は
完全に低体温症だったと理解しました。
マイナス20度以下の位ヶ原から
気持ち悪いし、足も重くなってきている。
乳酸が増えてアシドーシスという状態になる。
手を胸にあてた時、手より胸が冷たい状態は
かなりヤバイ状態だったのだろう。
下山し温泉に入ったときにさらに酸欠状態に
なっていたので、アフタードロップも起こって
いたと思われます。
まあ、安静にして回復したから良かったけどさ....
けっこう綱渡りしてたと今更にビビリます.....

ともあれ、八甲田山(明治)、立山(大正)、鎌尾根(昭和)で
知られる冬山の疲労凍死は基本、低体温症である。
冬山でなくても現実、北アルプスや北海道で
夏山でも定期的に発生している事故であるが
細かい分析をいままでしていなかったため
疲労凍死で片づけられてしまいがちだったのは
困ったもんである。夏山でも起こりうるのは
承知しないとアカンですね。
まあ、ツアー登山の問題点はともあれ日本が独特で
あるというのも見えてきました。だからって
ガイド免許が解決するもんでもないなと思うけどね。
結局、生還者は最後は自分でなんとかするしかないって
結論になってしまうのだよな。オウンリスクの世界だからにゃ。

まあ、この遭難救助で全くズレた映画
になったのが「岳」でしたね。漫画は
すばらしいのだが映画は崩壊.....非推薦です。
まあ撮影ロケ現場をチェックするのが
楽しみな映画って程度だったかな。

Gaku0001 オープニングのシーンで雪尾根を
駈けるシーン。乗鞍と焼岳が見えるじゃん。
きっちり先日の西穂高の丸山の
稜線じゃんね。

Gaku0006 オープニングで救助ヘリがくる場所は
背景に妙高と戸隠が見えます。
ヘリ着陸しやすい栂池上部の
白馬乗鞍天狗平じゃんね。

Gaku0002 クミちゃんとピッケルの使い方
シーンは見慣れた景色でした。
八方尾根の八方池じゃじゃん。
五竜遠見と鹿島槍も見えれば
ラストの遭難者と再会するシーンでは
不帰キレット周辺も見えるしさ。
まあ、マイルドな丸山のある西穂に八方と
私でも入れるヨワヨワ雪山で安全にロケってことだね。

話は変わり.....

Pc090004 ロッドアンドリール12月号を久しぶり
に買った。リンパ腫で急死した若き
釣り師の6ページ特集です。
まあ、私にすれば馬鹿なことを....と
思ったのですが、フクイチ30km県内で
川魚を食べながらキャンプ生活をして
8月に発症入院して3週間で亡くなられています。
原因はブログで書いてもどうしようもないので
常識的に考えてもらいたいのですが
国内外の遠征でつちかった自給自足での
バックパッカー系ライフスタイルが結果的に
こういう事になったのかもしれません。

最後にすごくしっかりした子だなって
感じたのはこの言葉だ。
「オレのことを知ったら、みんなの釣りが楽しくなくなるんで」
ちゃんと病気の理由がわかっていたんだよね。彼は.....
バイクが楽しくなくなるから....
山登りが楽しくなくなるから.....
そんな言葉を口にしなくてもいいように、
楽しみ方を変えてもいいから
大切な事は何かを考えていきたいネ。

同じことを繰り返すのが立派なことではないです。
創意工夫をしてでも臨機応変に
目的にアプローチすることが重要なのだと感じます。
あれするな、これするなではない。
ただ今まで通りが通用しないのだから。
そうして自分の生き方を模索すればいいじゃんね。
親の時代だって太平洋戦争も高度成長期もあった。
われわれ時代が安定してるなんてのは
妄想でしかないのだろう。甘ちゃんな私であり
確かに裕福な時代ではあるのだが.....

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飛燕の時代

Img_4838 かかみがはら航空宇宙科学博物館で
飛燕初飛行70周年を記念した
「飛燕の時代」特別展示を開催しています。
ちょっと覗いてきたけど、写真と
図面などをメインで、もともとここにあった
唯一残存する知覧に展示してある飛燕の
機体は借りてきてなかったようです。
Img_4829もってきてくれれば写真撮れたんだけどにゃ。
現在、オーストラリアの航空機レプリカ
製造会社が飛燕の復元を実施しています。

Img_4826 三式戦闘機(飛燕)は川崎航空機工業
岐阜工場で設計、製造され試験飛行は
当然、各務原飛行場で行われました。
零戦でもわかるように日本は空冷星型
エンジンが主流でしたが、飛燕はメッサーシュミットBf109E
に搭載していたダイムラーベンツ製DB601をカワサキで
ライセンス生産したハ40を搭載します。

Img_4832 水冷倒立V12気筒エンジンのハ40は
水冷エンジンで速度が速いため
メッサーシュミットに似たとがった
デザインだが、エンジンと機銃以外は
土井武夫氏の設計だ。陸軍機の飛燕は
高高度と高速度でB-29迎撃用で
知られます。B-29への特攻も有名です。
海軍機と違いうまく脱出すれば生還もできました。

Img_4822 三式戦闘機(キ61)はエンジン生産が
間に合わず300機が工場などに放置
された状態の写真などもありました。
まあ水冷は熟練工の減少と材料の
ニッケル欠乏がネックになってるのですが
エンジンを空冷(三菱製ハ112)で対応したのが
大戦最後の五式戦闘機(キ100)になります。
こちらは液冷部分とバラストが不要になり
エンジンとスリムボディに段差ができたが
330kgのダイエットは上昇力や運動性能があがった。
エンジンが空冷になりフォッケウルフぽくなってるけどね。
ちなみにFw190のエンジンはBMW801です。ビーマーさん
にはメッサーシュミットよりフォッケウルフがお似合いね。
現在、オーストラリアの航空機レプリカ製造会社が飛燕の
復元を実施しています。(写真はH2ロケットフェアリング)

Img_4852 帰りにお千代保稲荷に
寄ってきました。
おちょぼさんは相変わらず
賑やかな参道だったね。
もう日没になっちゃったけどさ。

Img_4849 なまず定食をいただきます。
うなぎと似た蒲焼と思ったが
大きな違いは開きで
背骨が残してあるので、
食べちらかしになる。骨も淡水魚で多いの。
また白身ではあるのですが身がウナギより
アイナメに近いです。タレの染み込みが少なめ。
泥臭さはしっかり泥抜きしてるのですが生臭さは
少し強めです。コイの洗いも酢味噌でついてました。
モロコと川海老の佃煮の方がいいかな。
今度は串カツとドテを食べたいにゃ。

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2011年12月14日 (水)

スワップミートでスターリングエンジン

Imgp6899 浜名湖2&4スワップミートっていう
二輪、四輪をメインに旧車などの
部品交換会なるイベントを
浜名湖競艇の駐車場で
やっていたので寄ってみた。
乗り物関係のフリーマッケットなんだよね。
http://hamanakosm.hamazo.tv/

Imgp6900 遠州はバイクや自動車の
メーカーの故郷だから
こういう独特なフリマもあるのね。
夜明けとともにスタートし、
お昼ごろには終わるそうで
のんびり10時頃に行ったので
お片づけ開始の出店者も
多かったですけどね。
まあ懐かしいのもあるけど
綺麗なTLM50が4 万円ってのが
ちょっと気になったかな。
このポスターいいじゃんね!!

Imgp6905 それでも筑波やら群馬あたり
からも出店できていました。
むろん愛知、静岡の出店者が
メインで浜松はやはり乗り物の
国って感じますね。

Imgp6902 年2回開催しているようで
今回、テーマでスズキの
2スト車集合ってイベントも
やっていました。少なかった
けど参加車は綺麗な車体で
このハスラーTS90も見事だなあ。

Imgp6901 こっちは4ストだけど
スズキ初のDOHCの
GS750も綺麗だわあ。
背後は2ストのT500かしらね。
CCIのマークが光るじゃん!!

Imgp6912 もちろん2ストなら
ジムニーだって当然
出てきますよね。
ジムニーがとにかく
多い遠州の地ですじゃ。

Imgp6910 こんなクラッシックなアメリカンな
ピックアップも多くいましたね。
静岡ナンバーだったけどさ。
ピックアップは輸送だけでなく
売り物のディスプレイにもなるのじゃな。

Imgp6911 CT110ハンターカブの
50周年記念も兼ねて
集まってるのよ。
そうかあ...そりゃそうだ。
私も40代中盤な訳だ。涙、涙、涙...........

Imgp6913 ワーゲンとダッジのピックアップが
仲良く並んでらっしゃるわ。
しかもピカピカでなくて錆錆で
使い倒された感があるクルマが多いぜ!!
私のアフリカツインもスポーク折れそうなほど
錆錆だけど、遠州灘でそういう土地なのじゃ!!
使ってなんぼのスピリッツここに有り???

Imgp6915 すごいなあって思ったのは
エンジン屋のマニアックフィールド!!
ふるい発動機のエンジンが10台くらい
並んでボコボコ動いかしてるの。
東北震災でも活躍してたのかしら?
ホンダのカセットガスの発電機の方が実用的だけど
このボコボコ動く風景はなんか癒し系だそ!!

Imgp6896 大正昭和初期のこれら基礎的な
石油式発動機の群れ。
4000円くらいだから安いけど
積み込みにはユニックのトラック。
これは吉田工作所(岡山)製の
グローリー箱型マグネトーだ。
2.0HP/650rpmを今でも元気に絞り出す。

Imgp6922 こちらは高橋製作所
(伊予三島)製のカルイ発動機。
型式H-1は軽油発動機で
2.5-3HP/700-750rpmだ。
バルブがカタカタ動くし
ヘッドの上の水槽からは
湯気がもわもわ。目的もなく動く
エンジンってのもセクシーだね。

Imgp6930 隣に横浜から来られたおっちゃんが
スターリングエンジンのデスクトップ
ミニチュア機を売ってた。
設計は持ってきてたおっちゃんで
造ったのはキューポラ川口市の
協和合金です。これは試作機のパラレルエンジンだ。
http://www.kyowa-gokin.com/pc/

Imgp6929 スターリング機関は内燃機関でなく
外燃機関です。200年の古い
歴史があるが実用化が難しい
カルノーサイクルに近い
古くて新しいエンジンちゅう訳だ。
これは販売用の2.8cc×2(膨張側と圧縮側)で
0.6W/3000rpmを軸出力で出し、発電もなんとか
できる、かなりがんばってる小型エンジンです。
ドイツ製の市販ミニチュアはエンジンが動くだけで
せいいっぱいのようですからね。ほんでもって
2万円まで落とすからって一台売られちゃった。
だって1台も売れてないので新幹線代も出ないって.....

Imgp6928 ほとんど海外にしか売れないんだってさ。
子供のプレゼントとかでアメリカ人は
こういうの好きみたい。あとは学校の先生とか。
なかなか目的なく動くエンジンだからね。
.私も逆にラジコンの飛行機のエンジンとか
ならね。一応、メーカーの社長さんの机
から持ってきたという小型の焼玉エンジンも
置いてあったけどね。

ともあれスターリングエンジンはロマンはあるよな。
お客さんもみんな名前は聞いたことあるけど
初めて見ったって言う人がほとんど。興味はあるけど
卓上ミニチュアなので買ってはくれないようです。
大雑把に言えばポニョで出てきた船の
エンジンみたいなもんだけどね。
小型エンジンはオモチャの領域からなかなか
出れず実用化は困難なエンジンだけど
実は効率の良い大きいものは実用ができている。
これを逆にして冷却機なども運用されているし
自衛隊の最新潜水艦のそうりゅう型潜水艦で
ディーゼル以外に川崎重工のライセンス生産で
コックムス4V-275R MkIIIスターリング機関を
4基搭載しています。船舶用だからもちろん大きくて
ケロシンと酸素を燃料にしてるようだけどね。
最新の軍事力にはスターリングエンジン有り...なのだ!!

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2011年12月13日 (火)

皆既月食そしてG12

Imgp6860 土曜日は皆既月食でしたね。
11年ぶりと言われても
10年は一昔って思うほど
遠い昔ってこともないもんだなあ。
時が経つののは早いもんです。
ってこれは浜名湖の夕日ですわ。
少し雲が残るもお月さんはなんとか見れるかにゃ。

Imgp6863 という訳で500mmシグマレンズで
月食を撮影。最初に30秒露光で
ASA100で撮影。けっこう30秒でも
月はこんなに動くもんなんだなあ。
雲がちょこちょこかかってくるので
マニュアルでのピントが難しいのもあるの。

Imgp6891 完全に隠れたお月さん。
感度を上げて10秒露光に
短縮したら流れはなんとか
押さえ込めたね。
ホワイトバランスも青が
強かったのでちょっと赤ぽくした。
影に入って暗くてもけっこう見えるもんだね。

Imgp6934 さて、ペンタックスのデジイチは
フル稼働ですが、簡単なスナップ
用のカメラをボーナス時期に
合わせて増強してしまいました。
キャノンのコンデジハイエンド
フラッグシップのPowerShot G12です。
大分、値段もこなれてきたのも
選んだ理由ですけどね。
オリンパスのμ770SWと並べてみます。

■ Canon PowerShot G12
画像素子 1/1.7型CCD 1000万画素
35mm換算焦点距離 28mm(W)-140mm(T)
開放F値 F2.8(W)-F4.5(T)
シャッタースピード 15-1/4000秒

■OLYMPUS μ770SW
画像素子 1/2.33型CCD 711万画素
35mm換算焦点距離 38mm(W)-114mm(T)
開放F値 F3.5(W)-F5.0(T)
シャッタースピード 4-1/1000秒

各社ハイエンド機と比較検討したのは

● フジフィルム X10
新Xシリーズのレトロなデザイン。
フジノンレンズで2/3インチCMOSは
コンデジ最大級クラスの素子サイズだ。
プロがコンデジを使う場合フジフィルム製を
選ぶ傾向があるが、値段がまだ高いですね。

● オリンパス XZ-1
大口径で明るいズイコーレンズ。
PENよりコストパフォーマンスが高い。
コンデジ水中撮影でナンバーワン性能。
明るさ第一主義には現在、最強のコンデジ。
まあ、オリンパスは御家騒動が大変だけどね。

● キャノン G12
S95に人気があるがフラッグシップはG12だね。
ダイヤルが多い操作系がEOSを踏襲。
グリップも良くハード使用に対応するゴツイボディ。
5倍ズームで山撮影でも十分でしょ。
ファインダーも最初っからついている。
G13の予定が無いが値段が下がってきている。

● ニコン P7100
カタチはG12を美しく仕上げた感じ。
ただ、ニコンはデジイチはピカイチだが
コンデジに関してはそこそこ。

● パナソニック LX5
会社で使用中のライカレンズのカメラ。
楽ちんで綺麗に撮れる。
個人で使うにはちょっともの足らないのよね。

● リコーGR DIGITAL IV
とにかく崇拝者は多いGRは単焦点。
でもPENTAX合併で仲良くしなきゃね。
GXRのレンズ交換システムは個性的。

Imgp6938 またキャノンとオリンパスは
自社のオプションで水中ハウジングを
準備しています。さくさくとハウジングも
欠品する前に発注しておきました。
μ用のハウジングよりズームレンズが
伸びるのもあってG12用のは大きいです。

Pb120013 μ770SWで撮影した吉田うどん。
フラッシュ無しで撮影になるので
暗いと感度が上がって荒くなって
しまうね。レンズと素子が小さいので
これは仕方ないことです。

Img_4762 G12で撮影した豚チーズ
味噌煮込みうどん。こちらも
フラッシュ無しで撮影しています。
やはりハイエンドの仕様だね。
レンズも大きいので明るいゾ。
コンデジは人物などの近距離の撮影は良いが
遠景はデジイチに比べてベタっとした絵になり
やすいとか...こういう写真はコンデジのもん?

Pc090002 μ770SWで
スーパーマクロ+LED
で撮影した雪ミクの
フィギュアです。
LEDで撮影できるのは
結構、好きなんですよね。
オーバーにならず味が出るちゅうか。

Img_4768 G12でマクロにして
ストロボを強制発光させて
います。ちょっと至近距離で
拡散させた方が良かったかな。
解像がいいのはやっぱG12。
寺社や町並み、ちょっとした
スナップなどにはG12が活躍できそうだ。

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