フュージョンプロダクト
東濃の土岐市にある日本の核融合研究の
中枢となる文科省の核融合科学研究所に
訪問してLHDというFusion Reactorを
見学してきました。平日しか見学できないけど
有給休暇のとれたチャンスだったのでね!!
フクイチで世界最悪の原発事故という
汚名を現在進行形でうけている日本ですが
核分裂とは違い、核融合はストレートに
太陽と同じ反応を検討しています。
分裂と融合は似て非なるものなのだ。
雲の無い晴天の時にNDフィルター撮影で
太陽を撮影してみましたよ。(笑)
太陽は巨大な質量があるため重力でプラズマを
押さえ込み、高温高圧を維持しています。
これを地上で同じく重力で封じ込めるのは無理。
なので超伝導コイルの強力な磁場で
押さえ込むってのが核融合炉の原理になります。
核融合炉は実験炉には
様々な方式が検討されています。
■ トカマク方式
国際熱核実験炉のITER(仏建設中)の
方式でトロイダルとポロイダル方向に
磁場をかけてドーナツ型にプラズマを
封じ込める方式だ。
■ ヘリカル方式
核融合科学研究所のLHDで研究開発
している方式でドーナツ型でもトロイダルを
らせん状のヘリカル磁場をかける。
ドーナツでもフレンチクローラーのような形になる。
■ タンデムミラー方式
2ストチャンバーのような直線磁場型で
両端を磁気で絞り込んで内面でプラズマを
反射させて封じ込める開放型の方式。
■ レーザー核融合
熱料球に高出力レーザーを当てて爆縮させる
慣性核融合の方式。
詳細や設備はフォトアルバム
「レッツ!フュージョン」をご覧ください。
http://backcountry.cocolog-nifty.com/photos/fusion/index.html
LHDの核融合炉で発電をする場合は
現在、リチウムのブランケットを今後
取り付けて高速な中性子を透過させる事で
減速させ熱変換させて、それを循環させて
タービンを回す考えのようです。
まだ、核融合を連続させて運転させる技術が
優先されて、発電はその後の計画になる。
核融合のメリットは核分裂のメルト
ダウンのような暴走が無い。
災害などで緊急停止でもスパッと止まる。
そういう意味ではダムの発電と一緒だ。
燃料供給を止めればその時点で反応は終わる。
そして、10万年も管理しないといけない
使用済核燃料である半減期が極端に長い
物質が出て来ない事だ。
もちろんデメリットもあります。
あくまで放射能を扱う炉ですからね。
核融合は中性子を出します。
これにより炉内は原発同様に放射化する。
水やコンクリは放射化しますが、
これは20~30年でクリアになるから、
原発のプルトニウム、ウラン、セシウム、
ストロンチウムなど死の灰がたっぷりって事ではない。
そこが核融合と核分裂の生み出す放射性物質の差である。
またトリチウム(三重水素)が生成されます。
これは燃料に再利用できるので回収する技術も
研究中だ。現在の実験は水素が燃料だけど
これを海水から調達できるデューテリウム
(重水素)で実施すると放射性同位体のトリチウムができて
しまうので、地元との協定を結ばないと実験ができません。
最近の風潮だとそれが難しいかもしれませんけどね。
基本LHDでは重水素のD-D反応を目指しています。
さらにエネルギーの利得の高い原料に
トリチウムを使用するT-D反応が最終的な目標にはなります。
トリチウムの半減期は12年くらい。
ですが、水になって体内に入っても
話題のセシウムやストロンチウムと違って
体内にタンパク質や骨などで集積され
固定される事は少なく、尿で循環されるため
体内に滞留期間は短いため、リスクは
セシウムの比ではないけどね。まあ、
笑い話ですが放射化した水は実験で体に入るのは
気にしてたら研究の仕事はできないそうなんです。
実際、水は体外排出されるのは数十日とはやいため
ビール飲んで小便でどんどん血液から出せば
OKってのが定番らしい。(笑)
ただ、直接中性子を受ければ炭化水素など
脂肪だのタンパク質が放射化するとなかなか排出は
されないですよね? 新陳代謝とダイエットしなきゃさ。
もちろん、水でもトリチウムと通常の水素を
分離するのは差がないので、きわめて難しい
のは事実です。何にしても安全ではないが、
コントロールはできそうな感じではある。
ただ30年後、いや50年後の話しになりますが
核融合が安定運用できれば、化石燃料も原発も
不要になると言われ、戦争もなくなるとまで言われます。
ただ、プラネテスでは産油国が貧乏になって内乱だらけに
なってましたけどね。(爆) ともあれ、核だからダメではない
のが核融合だなって理解できましたね。
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