2011年5月22日 (日)

岳にガクッ

実写映画版「岳」をみてきたよ......

Gaku 予想通りだったんだけど小栗旬は
チャラけてたなあ。原作の島崎三歩は
はやはりマジメでピュアな人間性からくる
笑顔であるが、所詮はビジュアルの
良い役者を使うとただのカッコ付けに
なってしまうのだ。
三歩の配役はあんまりかっこよくない
顔でないとダメだろうなあ。
完全にミスキャストだった。

映像的には「バーチカルリミット」を
日本の低いレベルで撮影したという感じ。
「運命を分けたザイル」ほどのリアリティは無いし、
「バーチカルリミット」の映像すら表現できてない。
ある意味、映像に愛情を感じるなら
「劔岳 点の記」の方が良くできていたかな。
どうせスチャラカやるなら「ホワイトアウト」
みたいに割り切ってしまっても良かっただろう。

しかも爆弾低気圧のくせに
春山のガチガチの雪質の風景。
ラッセルで腰までってのが無い
ところも無理があるよなあ。
雪崩の基礎すら論ずる場面はない。
雪洞も掘る設定も無いし、
クレバスばかりに目が行っている。
結果、「バーチカルリミット」になって
しまうのだよなあ。
技術的要素を完全に排除して
「岳」を表現するのは無理があると思うにゃ。
それに妙にファッショナブルなウェアが
浮いていたなあ。汚れてもないし。

また、登山者側の視点の演出がまったくない。
ほとんど、クミちゃんとサンポをメインに
救助側の視点でしか見ていない。
「空へ 救いの翼」的な展開なのだ.....
そのため非常に一面的に感じるのだ。
原作の出来の良さが逆に際立った気がする。
クミちゃんに焦点を絞りすぎた脚本であるから
仕方ないっていえば仕方ないが
原作は登山者があってのストーリー展開
だから共感できる事もあるんだと思う。

ロケは奥穂高の山頂空撮だが、ここで
日清ラ王のCMは撮影しなかったようだ。
クライミングシーンでは三ツ峠に入った
ようだし、涸沢以外には立山、八ヶ岳、
八方尾根でロケに入ったようだ。
山村山荘は八ヶ岳の稲子湯。
空撮のラストが北アから抜けて雲海の
独立峰でフェードするがこれが白山だった。
富士山にしなかったのは良し!! (笑)

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2009年7月 3日 (金)

博士の異常な愛情

Strangelove01 北朝鮮は相変わらず核兵器に
萌えている。そんな時代なもんで
「博士の異常な愛情」でも観て
みたぞ。キューブリック映画で
一番好きなのは「シャイニング」
だけど、定番の「2001年宇宙の旅」
はそんなに崇拝していないのよね。
「バリーリンドン」もピンと来ないし、
「時計仕掛けのオレンジ」も熱狂的に
好きにはなれないかもしれない。

Strangelove02 実は、「博士の異常な愛情」を
観てて「フルメタルジャケット」
は路線的に近いのかもしれない
なんて思ったりもしたかなあ。
邦題が思いっきり誤訳として有名だ。
Dr.STRANGELOVEは名前だもんね....
オープニングにB-52の空中給油の資料映像を
利用したのは性的イメージだとの事。

Strangelove03 有名なペンタゴンのセット。
映画を観てて古さを感じ
させません。これがスゴイ
かもしれないよなあ。
B-52の飛行シーンは模型の
合成だが、しっかりした特撮になってますしね。
模型相手のカメラワークも侮れません。

Strangelove04 「アルマゲドン」でもオマージュ
ってた核爆弾でロデオの
この映画の象徴的なシーンです。
まじめな映画にすると問題なため、
ブラックなギャグとして話しを
展開するしかなかった当時の
米ソ冷戦下の状況を実感します。

Strangelove05 「ピンクパンサー」シリーズは
これまた好きではなかったが
ピーターセラーズのすばらしさを
実感できる映画でもありました。
大統領、博士、マンドレーク大佐の3役をこなし、
それぞれ個性的にキャラが立ってます。おそるべし。
ちなみに当初、パイロットの4役をやるそうだったが、
それはキツイって事でロデオはスリムビケンズが
請け負ったって感じのようですね。

Strangelove06 ラストのSunny Dayって歌う
原爆と水爆の実験シーンの連発。
ビキニ環礁のクロスロード作戦
の有名なシーンから、太平洋
実験場の水爆実験まで....
これは戦艦長門も沈まなかったって原爆の実験かな?
水中核実験では海底の岩盤がぶっとんで土砂の
冠が特徴的です。でも水兵はこの放射能の霧を
たっぷりと吸い込んでしまうのですけどね........
ビキニでの1回目は海上160mの空中実験、
2回めは水面下30mでの水中実験でした。

Strangelove07 1986年にアメリカで制作された
クスロードフィルムプロジェクトの
番組をNHKで放送した
「RADIO VIKINI」がすごく良くできた
番組でした。クロスロード作戦後も
ビキニでは21回の核実験を行っています。
ネバダでは戦術核兵器や地下核実験も行われ
ましたけどね。水爆の空中実験はまさに太陽が
そこにあるという状況だわ。
海水面に蒸気の雲が出来ています。

Strangelove08 今では地下核実験しか許されず、
当時は大気圏実験やら、なんでも
かんでもやっていましたよね....
しかしながら、水爆は規模が違います。
キャッスル作戦では第五福竜丸の
巻き添えもありました。水爆も聞かなくなった兵器に
なりましたが、原爆は相変わらず弱小国家の力の
象徴とされていますよね......
アフリカの爆弾じゃあないけど。
ハイルヒトラーと叫びたくてしょうがない
ストレンジラブ博士のように、北朝鮮の
人民は教育されているのだろうなあ。

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2009年6月22日 (月)

梅雨にはひさしぶりの映画館

Totoya01 映画館に「劔岳 点の記」と
「トランスフォーマー リベンジ」
を観に行ってきた。映画館は
10年ぶりかもしれない。
スクリーンでは北海道への
フェリー内でDVDで観る事は
あるんだけどね。
写真は映画の合間に食べた魚々屋の
スーパージャンボエビフライと海鮮丼だよ~!!

Tennoki01 「剣岳 点の記」は思ったより
ゆったり流れる時間の映画
でした。登攀の殺気は
ほとんど感じられません。
坦々としたストーリー展開だ。
現場での撮影という事で映像
もしっかりしていて、なんか立山に
一緒に登山してるって感覚があるが、
厳しさは逆につたわりにくいのはしょうがないかもね。
ブリザードがどうしてもチャチくなってしまうし
滑落シーンも合成ぽさが出て残念だ。

Tennoki02 三角点の測量作業手順の概要は
なんとなくわかったつもりになれるよ。
ある意味、陸軍が「山岳会は遊び」
って言い切るのはよくわかります。
測量の物資を運搬や、登頂までに
必要な測量の作業。なんで山岳会は単純に登攀する
事ができないのか謎に思えてしまうくらいです。
山と渓谷社から「もうひとつの剣岳 点の記」って裏話本も
出てるみたいなのでアマゾンで発注しちゃったけど.....

Tennoki03 もっと斜度を感じさせるカメラワークがあっても
いいかもしれない。「運命を分けたザイル」くらい
の映像が撮れれば、ある意味マニアには
嬉しいだろうが......装備が古いのでそれは無理。
でも立山連峰はもちろん、後立山連峰や
穂高連峰も映画を見ながら山座同定が
できるのはロケ地が現地だからこそだね。
あと、昔の立山信仰の風景を再現しているのが
なかなか面白いとは思った。CGで今の室堂の
建物なんか消してあるんだろうけど、
アルピニズムにかぶれない戦前の登山の風景を
見せているのが良い感じ。ある意味、木曽御岳は
この風景が色濃く残っていると言えるかもしれんね。

Transf01 レイトショーで見たのは娯楽性の高い
「トランスフォーマー リベンジ」だ。
トランスフォーマーはストーリー展開と
世界観の説明が前作で済んでいるので、
思いっきりアクションが増えた感じです。
でも逆に動き過ぎて見にくいシーンも多いかな。
軍事マニアにはうれしい映像も多いです。
沈没空母の甲板でのF/A-18のずれ具合とか
妙にリアルでグッド。今回の目玉兵器は
駆逐艦の新装レールガン。テクノバーンの
ニュースで垣間見る新兵器開発が実戦配備されている。
しかもレールガンの標的位置を指示するGPSは
愛機「GPS MAP60 CSx」だったりします。(笑)
最近、CG定番の無人攻撃機(RQ-1プレデター系の
攻撃機MQ-9リーパーかな?)も活躍してるし、
博物館入りのブラックバードSR-71のトランスフォームもいいかも。
そういえば、GMもしっかり提供に入っているけどね。(笑)

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2009年5月12日 (火)

四国お遍路讃岐篇その3

Sanuki84b 讃岐ステージ2日目
後半戦だよ。時間の
かかる屋島と五剣山を
サクサク行けば今日中
に結願だゾ!! 写真は
屋島ドライブウェイから
眺めた五剣山と屋島の
源平合戦の古戦場です。
壇ノ浦が広がります!!

***高松市********************

■ 南面山 屋島寺
■ 四国遍路84番札所
■ 御本尊 十一面千手観世音菩薩
■ 宗派 真言宗御室派
■ 香川県高松市屋島東町

Sanuki84 二回目の来訪の屋島です。
前回の屋島は日没後で
真っ暗な屋島寺だったな。
その時は南嶺(標高292m)
をアタックしました。実は
屋島ケーブルは2005年に営業をやめ
参道を歩く以外は屋島ドライブウェイ
を使用することになります。

■ 屋島神社 讃岐東照宮
■ 近代社格 県社
■ 主祭神 東照大神・頼重大神
■ 香川県高松市屋島中町

Sanuki84a 屋島の南麓にある
神社が屋島神社で
徳川家康を祀る
讃岐東照宮です。
本殿の上の断崖が
屋島の台形の姿を
伺わせますわ。
そして東照宮に隣接して
食事処があるんですよね。

Sanuki84x さぬきうどんを
昼食で頂きます。
釜揚げで有名な
「わら屋」です。
二回目だよーん。
軽く混雑した程度
で平日だったのが
功を奏しました。
でも普通盛りにしちゃった。

■ 五剣山 八栗寺
■ 四国遍路85番札所
■ 御本尊 聖観世音菩薩
■ 宗派 真言宗大覚寺派
■ 香川県高松市牟礼町牟礼

Sanuki85 五剣山も1峰から3峰までは
縦走した事がありますが
入山は禁止されています。
八栗寺は聖天堂が有名!!
商売の方が早朝に歓喜天
つまりガネーシャをお参りに来るそうです。
もちろん商売繁盛の他に夫婦和合の
御利益が知られる聖天さんですけどね。

***さぬき市******************

■ 補陀落山 志度寺
■ 四国遍路86番札所
■ 御本尊 十一面観世音菩薩
■ 宗派 真言宗善通寺派
■ 香川県さぬき市志度

Sanuki86 藤原不比等の母になる
海女の伝説がある
海岸の寺です。納経所で
伺うと志度は死渡であり
彼岸との境目でもあると言います。

■ 補陀落山 長尾寺
■ 四国遍路87番札所
■ 御本尊 聖観世音菩薩
■ 宗派 天台宗
■ 香川県さぬき市長尾西

Sanuki87 コトデンの終着駅のある
天台宗の長尾寺は
静御前の出家したお寺
です。静御前の母が
讃岐出身だったためです。

■ 医王山 大窪寺
■ 四国遍路88番札所
■ 御本尊 薬師如来
■ 宗派 真言宗単立
■ 香川県さぬき市多和兼割

Sanuki88 そして八十八所の最後の
結願寺である大窪寺です。
空海が唐から帰国後、
胎蔵ヶ峰で求聞持の秘法を
厳修した場所です。

Sanuki88b 大窪寺から奥之院胎蔵峰の
急登を5時からモードで登ります。
片道1.1kmですが、1kmの場所に
舗装林道がありました。
まあ、途中に奥之院もあるし
女体山(標高776m)のロックの
様子も感じる事ができたので
それはそれでOKなんですけどね。

Sanuki88a_2 あとで調べると大窪寺の山域は
矢筈山(778m)、女体山(774m)、
女体山(762m)、東女体山(674m)、
で構成されているのね。
大窪寺の本堂の背後にある
ピラミダルなロックピークは
二つの女体山ピークの稜線から
延びている枝尾根ピークのようです。
でも標高774mの女体山の女体宮
(青木神社女体神殿)からの景色は
お遍路の締めくくりにかなりグッドでした!!

Sanuki89 そして、松山にて結願祝い
ですよ!!  夜でしたので
松山のローカル牛丼屋の
「三河屋」に入ってみます。
味は吉野屋の味を踏襲しており、
安心のテイストでした。
お遍路は回数を重ねる事も良いのですが、
様々な寺社をまだまだ見て、感じて、知り
たいってのはあるので色々なアプローチを
継続する事になるでしょうね。
まだ、別格20霊場も沢山残ってるし
四国もまだまだ行き足らないでし!!




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2009年4月10日 (金)

別府ではない地獄

Juohdou01 野沢温泉の十王堂の
閻魔大王を中心に
十王が並んでいました。
地蔵十王経の末法思想であり
仏教は道教と習合し絡み合って
います。しかし地獄の概念は
仏教だけでなくキリスト教にも
イスラム教にもあるのです。

Juohdou02 十王の死者の審理は
七回とされます。良く
知られる初七日から
七七日(49日)の仏事サイクル
がこれにあたります。
通常は五七日(35日)の閻魔大王
による最終審議で終わり
ここで「引導」が渡される訳だ。
49日までに決まらない場合は百か日、一周忌、
三回忌と続きます。ともあれ、葬式からの法事の
七日毎の法要は亡くなった人への減罪を
十王に嘆願する残された者の弁護のような場なのだな。

Juohdou03 偶然であったが長野へ
出発する前に中川信夫
監督の「地獄」を見た。
テレビではプレイガールや
コメットさんで知られる監督だ。
昔、学生の頃に、ちらっと
幼なじみのチャメ君のレーザーディスクを
観たんですが、全編鑑賞してなかったんで
この度、DVDを入手しちゃいました。
まあ、エログロな分野に入る映画では
あるのですが、出演するキャラクターの
全員が死んでしまうというとんでもない
展開は、生き地獄から死後の地獄と
移り二部構成となっています。
その地獄の風景はまさに「墓場鬼太郎」にも
シンクロする感じの世界なんですよね。
ファンタズムの行進のシーンにも見えたりして。
新東宝倒産前の作品で低予算で
しかも当時の特撮ではあるが、その表現は
なかなかのものだと思う。そして悪人の
同級生タムラのキャラクターもグッドです。

人間のドロドロな業が現実にも感じられる
時代になってきました。行き詰まった閉塞感。
戦争の様な極まった地獄ではなく、どちらか
というとソドムとゴモラのような世界なのかもしれない。

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2007年9月15日 (土)

包帯より台風のちナビィ

Naby 台風11号が接近中だ。
という訳ではないけど
古い邦画のDVDなど。
懐かしいかな?
写真左
「台風クラブ」
監督 相米慎二
「セーラー服と機関銃」や
「ションベン・ライダー」の
今は亡き監督です。
独特な長まわしの演出が
象徴的な監督だ。なんか、最近、
「包帯クラブ」って映画が公開されたようだ。
似たような題名で芸がないなあ。
工藤夕貴と大西結花が若すぎだよなあ。
スケバン刑事の前だしな。
懐かしさ入手してしまったが
こういう感じの映画も少なくなったもんだ。
写真右
「ナビィの恋」
沖縄のガイド本によると評価が高い。
だもんで入手してみたが、
まあ、そんなもんかなあって感じではある。
確かに音楽の使い方はグッドですね。
ただ胡弓(沖縄ではクーチョー)がなく
バイオリンが多用されていた。
ナビィ役の平良とみは
ちゅらさんのオバアである。
過去や時間経過の演出がベタぽいけど
厭味じゃなく作品全体の雰囲気と
バランスは良い感じだ。
実質上の主人公の西田尚美って
良く知らなかったがけっこういいね。

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