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ヘリウムタンク

ヘリウムタンク

岐阜土岐市にある核融合科学研究所(文部省)に
LHD見学に行ってきた。
単純に太陽と同じ核融合をさせたいが
太陽は巨大な質量があるため重力でプラズマを
押さえ込み、圧縮を維持でき高温を保てるが、
これを地上で同じ重力で封じ込めるのは
無理なので超伝導コイルの強力な磁場で
押さえ込むってのが核融合炉の原理だ。
写真はヘリウムタンクです。


制御室のLHD模型

制御室のLHD模型

背後のメインモニターに記録された反応の映像を再生してくれています。
LHDは電磁コイルの磁場でプラズマを封じ込める訳だが
普通の電磁コイルでは無理なのでドーナツのような
コイルをさらにらせん状にねじ込ませるヘリカル型を
核融合科学研究所は採用している。
形はミスタードーナツのフレンチクローラーを想像すると良いかな。


モニターの森

モニターの森

手前の六連モニターもソーラーパネルじゃないんだからっ!!
NASAの管制室か証券取引所のような世界に見える?


ヘリカル型核融合炉FFHR (模型)

ヘリカル型核融合炉FFHR (模型)

LHD-Type Fusion reactor FFHRは発電用のシステムの模型。

核融合炉の発電として電気を得るには
融合炉ができて、さらに次の段階になるようだ。
炉内にウォータージャケットみたいなブランケットに
金属リチウムを配管を通して高速の中性子を
透過させることで減速させて熱に変換。
加熱したリチウムを循環させて今の原発のように
二次的なサイクルに熱交換してタービンを回す。

弊害としては中性子を通すことで循環溶媒の中にも
放射性のトリチウムが出来ちゃうそうだ。
これを分離回収して燃料として再投入をする計画らしい。
で、トリチウムを分離する方法は? って聞くと
まだ研究中だって。まだまだ発電も先は長いね。
金属リチウムって言うと「もんじゅ」の金属ナトリウムと同じく
水との発火で危なっかしい感じはあります。


中性子粒子入射加熱装置

中性子粒子入射加熱装置

NBIと呼ばれる高エネルギー水素原子ビームを入射することで加熱する装置です。
赤い部分が高圧電源、緑の部分がイオン源、金属地の部分が中性子化装置です。
5基中の3基が水素負イオンを用い、負イオン源の電流密度は世界一です。
写真は日立製でNBI #3です。


真空ポンプ

真空ポンプ

左の大きな筒はメンテナンス用のエアロックのような入口。
真空排気装置のうち人が出入りするのはここ。
現在停止中で交換などの作業でクリハラントの
スタッフが入っていきました。
右はNBIの#4です。


アウトレットな真空排気装置

アウトレットな真空排気装置

根元にあるのが真空装置の最終3段目のポンプ。
まあ中はSEM写真のステージと同様なレベルで真空ですが
この容積で真空ってのも厳しいですね。
先端に真空紫外分光器、可視分光器を装着。
横に伸びる筒は米国の大学が設置したX線とかの検知器です。


超伝導冷却用ヘリウム

超伝導冷却用ヘリウム

超伝導ヘリカルコイルや超伝導ポロイダルコイルの超伝導を
得るために冷却する冷媒(ヘリウム)の装置塔です。


トレーサー内蔵ペレット入射装置

トレーサー内蔵ペレット入射装置

計測ポートの周辺にトレーサー内蔵ペレット入射装置がある。
燃料を入射する場所は3ヶ所で、ペレット状の水素を打ち込む装置だ。
プラズマを磁場で封じ込めてるという事は、逆に電磁バリアに
なっており、単純に水素を入れると跳ね返されます。
一番中心部に燃料投入するにはペレットにするんだそうだが、
水素ガスが固体水素ペレットってちょっと不思議だが
マイナス263度で固体にした直径数ミリの弾丸だ。


NBIとICH

NBIとICH

左は中性粒子入射加速装置 NBI #4で
右はイオンサイクロトロン共鳴加熱装置 ICHだ。


イオンサイクロトロン共鳴加熱装置 (ICH)

イオンサイクロトロン共鳴加熱装置 (ICH)

発振は別の建屋で行いこれはステンレスの導波管です。
イオンサイクロトロン共鳴加熱装置 (ICH)で
反対側には電子サイクロトロン共鳴加熱装置 (ECH)が配置されます。


ギネス登録の証

ギネス登録の証

さて、何が世界一なのでしょう?


奥から眺める大型ヘリカル実験棟

奥から眺める大型ヘリカル実験棟

ちなみに天井のホイストは250トンで造船所級!?
装置はこの棟で建造され移動はしないのですけどね。


放射線監視装置機器室

放射線監視装置機器室

モニタリングポストのデータ室です。原発なんかにあるモニタリングポストは
室内にあったりして、ダマシがあったりするけど、ここは屋外の芝生に
ポストが設置されているようです。フクイチ爆発時から変動は無かったようで
やはり遠州あたりがボーダーラインなのかもなあ。
岐阜産の牛乳を安心して飲めるね。


データ室

データ室

検出データが全て入って来る場所です。


ヘリウム液化冷凍機

ヘリウム液化冷凍機

LHDの裏の部屋にコイルの超伝導維持に必要なヘリウムの液化機があります。
冷凍能力9kWで2700L/Hが製造できる。


設備搬入用の巨大な扉

設備搬入用の巨大な扉

これがギネス登録の世界一重い扉です。
確かに大きさではそうでもない感じなんですが
重水素、三重水素の実験が始まれば中性子対策で
多分、ばっちり凶悪なプロテクターになってるんだろうなあ。


ドーナツ状プラズマの直径は約8m

ドーナツ状プラズマの直径は約8m

手前から眺めるLHDです。
装置外径は13.5mでプラズマは約8m(太さ1.0~1.2m)になります。
磁場強度3テスラ、ヘリカル周波数は10、
装置本体の総重量は約1500tonだ。


ヘリオトロンD

ヘリオトロンD

日立製作所製の京都大学のヘリオトロンDです。
運転期間は1970~1982年で放電管は主半径R1050mm、
材質はSUS27 (SUS304)です。
トロイダル磁場コイルは40個あり最大磁場は0.5T。
ヘリカルコイルはピッチ数12.5、材質は無酸素鋼で
最大磁場は0.3Tです。
垂直磁場コイルはR2000mmで最大磁場0.05Tです。


プラズマ真空容器の模型

プラズマ真空容器の模型

模型とは言ってますが、第一次試作品でこれをベースに
手直しをして何度も造り直してるのが実情なわけです。
だからただのモックアップって訳ではないんだって。
ステンレスで溶接されていますが、そんなに綺麗な処理では
ないかもしれないけど、日本でないとこの大物は
できないようです。安曇野のステンレス大物アートの巨匠の
技術力の話しがシンクロするね。
写真では内面に冷却管の上に保護板がボルトで貼り付けてあります。
ただこれは一部で実物には全面に貼ってあるんだって。


ダイバータ受熱板

ダイバータ受熱板

ステンレスでなくカーボンの保護板の場所があります。
プラズマのアタリが激しいのか磨耗が多い場所は
カーボンで対応します。脱離した金属が真空内で浮遊すれば
プラズマにも影響がでます。原子数の小さいカーボンの方が
影響が少ないんだそうです。
このダイバータ受熱板は川崎重工製。


実物大ポロイダルコイル模型

実物大ポロイダルコイル模型

LHDのコイルシステムのうち上面、下面で挟むみ込む
ようにレイアウトされる超伝導ポロイダルコイルだ。
プラズマを巻き込むようなレイアウトで
超伝導ヘリカルコイルをらせん状にレイアウトさせます。
さらに上面、下面には共鳴摂動磁場コイルをおきます。


プラズマ真空容器模型の全体像

プラズマ真空容器模型の全体像

ねじれてますね!!
年に一度の一般公開の時には抽選で1~2名が本物の
容器内に入ることができるとか。


土岐-TFコイル

土岐-TFコイル

強制冷却型ケーブル・イン・コンジット導体を
用いた超伝導ヘリカルコイル。
超伝導材はNbTiで。コイル主半径900mm。
最大磁場2.77Tでエネルギーは1.34MJだ。
東芝製の超伝導R&Dコイルです。


ヘリオトロンE

ヘリオトロンE

日立製作所製の京都大学のヘリオトロンEです。
運転期間は1980~1997年で放電管は主半径R2200mm。
材質は高耐力ステンレス鋼(YUS-170)で
ヘリカルコイルはヘリカル巻数19で、材質は無酸素鋼。
最大磁場は2Tです。

京都大学は現在、ヘリオトロンJ(ヘリカル型)を持っています。
他の大学では
九州大学はQUEST(トカマク型)、
大阪大学は激光XII号(レーザー型)
筑波大学はガンマ10(タンデムミラー型)
で研究中です。
また、東海村の近くに日本原子力研究開発機構が
JT-60SA(トカマク型)を建設中です。


JIPP T-II

JIPP T-II

日立製作所製の名古屋大学のJIPP T-IIです。
運転期間は1976~1982年で
放電管の主半径はR910mmで材質はSUS304。
ヘリカルコイルは巻数4で材質は無酸素鋼。
なんかUFOを造ってるみたいですね。

この核融合科学研究所は名古屋大学の関係で東濃に
立地したようです。名古屋大学、広島大学、京都大学の
協力からはじまったが実際、核融合に関しては
西日本の大学が強いのですよね。


大型ヘリカル装置LHD

大型ヘリカル装置LHD

核融合原型炉の設計条件は1億2000万度、密度100兆個/cc、
ベータ値5%以上、プラズマ持続時間定常1年だが
LHDの現在の実績は15サイクル実験で
イオン温度8000万度 (LHD目標1億2000万度)、
電子温度2億3000万度 (LHD目標1億2000万度)、
密度1200兆個/cc (LHD目標400兆個/cc)、
ベータ値(プラズマ圧力/磁場圧力) 5.1% (LHD目標5%)、
プラズマ持続時間 54分28秒 (LHD目標1時間)を記録!!


らせん

らせん

プラズマの数値ですが、
太陽コロナは数密度約10万個/ccで約百万度です。
核融合プラズマは数密度約100兆個/ccで数千万~1億度です。
オーロラは数密度約1億個/ccで約千~2千度です。
炎は数密度約10万個/ccで千数百度です。
まあフレーム(炎)もプラズマなんですよね。


水素ボンベ

水素ボンベ

これは燃料用の水素です。
普通のボンベ使ってるんだね。
ちょっとびっくり。


TOKI-HB 超伝導R&Dコイル

TOKI-HB 超伝導R&Dコイル

大半径0.8mでトロイダルピッチ3の最大磁場3.0Tです。
日立製作所製で捲線導体は
アルミニウム安定化NbTi/Cu複合超伝導導体です。
LHDの捲線技術の事前実験用の1/5サイズのコイルです。
容器ぽいのはヘリウム浸漬冷却方式だからだね。


食堂でハヤシライス

食堂でハヤシライス

お昼だったのでビジターで食堂を利用させてもらいました。
サラダは好きなほどとれるし、定食では
小皿もバイキング式でなかなかグッドなシステムでした。


プラズマくん

プラズマくん

頭がスパイラルしてるプラズマくんがキャラクターなんだね。

日本で最もがんばってる核融合炉はこのLHDですが
欧、日、米、中、韓、印、露の七カ国で共同で
フランスに建設中のITER(トカマク型)が有名です。
ITERの責任者は核融合科学研究所の元所長だったりするので
日本の地位は結構高いんですよね。
その他の海外核融合炉では
スペインのTJ-II(ヘリカル型)、ドイツのW7-X(ヘリカル型建設中)、
中国のEAST(トカマク型)、韓国のKSTAR(トカマク型)、
アメリカのNSTX(トカマク型)、オーストラリア大学の(H-1NF Heliac(ヘリカル型)
があります。でも日本のLHDは高温プラズマの長時間生成実験などで
世界記録を持つほどの実力を持ってるんだよ。


太陽の力を

太陽の力を

ひさしぶりに晴れていたのでND100000フィルターで400mmで撮影しました。
雲が無いとフォーカスもしっかり調整できるのでやっぱいいね。
核融合でレッツフュージョン!!
核融合とゆうと現在実際に運用できているのは水素爆弾だけ。
水爆はその熱源とプラズマを原爆を起爆剤として爆縮します。
もちろん、水爆なんて感じで一気に爆発することは不可能です。
でも、レーザー核融合では爆縮方式ではあります。
浜松ホトニクスとトヨタの核融合エンジンの話もありますが
レーザー核融合はアメリカが独自に失敗した方式ですけどね。
また、「プラネテス」で木星航行用宇宙船のエンジンを設定で
タンデムミラー型を使っています。タンデムミラーは開放型で
この理論は2ストエンジンのチャンバーのようなもので
両サイドを磁場で絞って、その細いクビレ場所で反射させて
封じ込めるっていうことで反射(ミラー)と呼ぶのだそうだ。
でも、今はすっかりボツになって研究はやめてるみたいだけどね。


Fusion Reactor

Fusion Reactor

頂いた下敷きにLHD内部の写真が綺麗でしたので!!
うずまきの芸術の世界にパワー有り。

確かに核融合がやはり原爆と水爆の関係で
さらにヤバイものだと思われがちだが
実際、案内して頂いた先生もフクイチで逆に
核融合の方が注目をあびるかと思ったら、
そうでもなかったってちょっとショボンとしていました。

基本を知れば、放射能アレルギーで拒絶するのは
もったいない。はるかに核分裂より核融合が良いであろう。
事実、軍事利用はできないので日本も初期から
研究参加できて、日本が珍しく中心的な位置にいる。
核分裂の商業原発なんてノウハウどころか
海外から買ってきた科学者の技術というより
商社の商売だったわけだからね。

まあ、まだ開発すべき周辺技術、装置がまだまだ多く
放射性のあるトリチウムの扱いが問題になるのだが........